修行者の努力を超越する力!仏教の「袈裟」に宿る驚くべき十勝利の神力

直七法衣店4代目ナオシチです。今日もみんなで袈裟功徳について学んでいきましょう。
3択クイズにチャレンジ!答えは最後に。

クイズ: 仏道を極め、速やかに仏身を証するために最も重要なものは何と説かれていますか?

  1. 行者の猛烈な修行(猛利恆修)の力
  2. 袈裟を身に着けていること
  3. 凡夫や賢聖が持つ智慧

原文

「この十勝利、ひろく仏道のもろもろの功徳を具足せり。長行偈頌(ジョウゴウゲジュ)にあらゆる功徳、あきらかに参学すべし。

披閲(ヒエツ)してすみやかにさしおくことなかれ、句句にむかひて久参すべし この勝利は、ただ袈裟の功徳なり、行者の猛利恆修(ミョウリゴウシュ)のちからにあらず。
仏の言はく、「袈裟の神力(ジンリキ)は不思議なり。」

いたづらに凡夫賢聖(ケンショウ)のはかりしるところにあらず。おほよそ速証法王身のとき、かならず袈裟を著せり。

袈裟を著せざるものの、法王身を証せること、むかしよりいまだあらざるところなり。」

現代語訳

袈裟のこの十の優れた利益(十勝利)には、広く仏道のあらゆる功徳が完全に具わっています。ここに説かれた散文や韻文(長行偈頌)にあるさまざまな功徳を明確にして、しっかりと学びなさい。

この教えを読んで、すぐにそのままにしておくことなく、一つ一つの言葉に向き合って、長く修行しなさい。

この優れた利益は、ただ袈裟の功徳によるものであり、修行者の勇猛精進の力によるのではないのです。

釈尊は言われます、「袈裟が具えている不思議な神力は、凡夫や賢人聖人にはとうてい計り知ることはできません。」

およそ、速やかに仏身を悟る(法王身を証する)時には、必ず袈裟を身に着けています。

昔から、袈裟を身に着けていない者が、仏身を悟った例はまだないのです。


語句説明

  • 十勝利(ジュッショウリ):袈裟を身に着けることで得られる十種の優れた利益のこと
  • 長行偈頌(ジョウゴウゲジュ):経典に説かれる散文(長行)と韻文(偈頌)のこと
  • 披閲(ヒエツ):書物をよく調べて読むこと
  • 猛利恆修(ミョウリゴウシュ):猛烈で鋭利で恒常的な修行のこと
  • 凡夫賢聖(ボンブケンショウ):悟っていない普通の人々(凡夫)や賢人・聖者
  • 速証法王身(ソクショウホウオウシン):速やかに仏身(悟り)を得ること

詳細な解説

袈裟が持つ、努力を超越した「神力」

この教えの中で最も刺激的なのは、「この勝利は、ただ袈裟の功徳なり、行者の猛利恆修のちからにあらず」という一文です。

仏道において、修行者が積む「猛烈で鋭利で恒常的な修行」(猛利恆修)は尊いものですが、それが袈裟を身にまとうことによって自然に生じる、あるいは袈裟をまとわなければ生じないものだと捉えられています。つまり、袈裟という「形」が、その人の姿や内面を整え、仏道の悟りという本質を自ずと作っていくという考え方です。

袈裟の力は、あまりに不思議な「神力」を持っているため、知識や悟りの段階にある凡夫や賢聖であっても計り知ることはできません。袈裟は、広く仏道のすべての功徳を具足していると言われるほど、その力が偉大なのです。

仏になるための絶対的な「護身符」

袈裟は単なる僧侶の制服ではありません。それは、「解脱服」とも呼ばれ、これを身に着けることは、過去の悪行や煩悩、悪報によるすべての障り(業障、煩悩障、報障)から解脱する力を持つとされます。

この教えによれば、最高の悟りである「法王身」(仏身)を速やかに証するとき、必ず袈裟を着用しています。袈裟を身に着けていない者が、仏身を悟った例は昔からありません。袈裟は、まさに仏法の真髄(正法眼蔵)であり、仏の皮肉骨髄を今日に正しく伝えているものなのです。

この功徳は非常に広大で、たとえ戯れや自己の利益のために袈裟を身に着けたとしても、それは必ず次の生、または次の次の生までの間に仏道を悟る「得道因縁」となると説かれています。

袈裟に触れるだけで得られる利益

袈裟の功徳は、それを着用する修行者だけでなく、袈裟に触れるすべての衆生にも及びます。

  • 例えば、龍が袈裟の一筋の糸を身に着けるだけで、龍を悩ます三つの苦難を免れる力があるとされます。
  • また、牛が袈裟に一角を触れただけで、その罪が消滅し、後に悟りを得たという話も伝えられています。

これは、私たちが仏祖が正しく伝えてきた袈裟の伝統に出会い、たとえ一日一夜というわずかな間でもそれを護持すれば、それが無上の悟り(無上菩提)を成就する最上の護身符となることの証です。


問いかけとまとめ

私たちは幸運にも、この偉大な功徳を持つ袈裟の教えに触れることができました。袈裟は、人間の恣意的な思量や知識(絹か布かといった見解)を超越した、仏法そのものの真実を象徴しています。

袈裟の教えは、「披閲してすみやかにさしおくことなかれ、句句にむかひて久参すべし」(読んでそのままにせず、一つ一つに向き合って長く学びなさい)と促します。単なる知識で終わらせず、その「形」の裏にある深遠な功徳を心に留め、謙虚に仏道を歩んでいきましょう。


クイズの答え

Q. 仏道を極め、速やかに仏身を証するために最も重要なものは何と説かれていますか?

B. 袈裟を身に着けていること

解説:
原文では、この功徳は「ただ袈裟の功徳なり、行者の猛利恆修のちからにあらず」と断言されています。また、「速証法王身のとき、かならず袈裟を著せり」とあり、袈裟の着用こそが仏道を完成させるために必要不可欠な要素であると強調されています。袈裟は、修行者の努力を超越した、仏の神力そのものなのです。

この記事を書いた人

直七法衣店 四代目 川勝顕悟


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合掌
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