得度習礼を受ける際には、法衣袈裟をはじめ、得度用の中啓(ちゅうけい)や念珠など、いくつかの指定品が必要です。
特に浄土真宗本願寺派の得度習礼では、使用できるものとそうでないものが明確に定められています。
今回は、準備の段階で間違いやすい中啓と念珠を中心に、確認すべきポイントをまとめました。
得度用の中啓(ちゅうけい)

得度習礼で使用できる中啓は、金銀無地のものに限られます。表面が金色無地、裏面が銀色になっている仕様です。
市販されている中啓の中には、花柄や地紋入りのものも多くありますが、それらは得度習礼中には使用できません。法衣袈裟と同様に、装飾性のあるものは控え、指定の無地タイプをご準備ください。
中啓は、得度で最初に確認される持ち物のひとつです。見た目が似ていても、使用不可となる場合があるため、早めの確認をおすすめします。

中啓 得度用
得度用の念珠(双輪念珠)

次に、得度用の念珠についてです。特に双輪念珠には明確な指定があります。
一般的な双輪念珠と得度用の違いは、房の素材です。得度習礼で使用されるものは、房に簡易的な素材が使われており、光沢や形状が異なります。
また、房の先端に丸い「頭房(かしらぶさ)」が付いているタイプもありますが、本願寺派では頭房のないものが正式とされています。

「お寺にある本式の念珠を持っていったら使用できなかった」という事例も少なくありません。現在お持ちの双輪念珠が得度用に適しているか、今一度確認しておくと安心です。
なお、単念珠(片手念珠)については指定がなく、珠の色や素材、デザインも自由です。普段お使いのものをお持ちいただければ問題ありません。

双輪念珠/二連珠|得度用 麻切房
準備は早めに、余裕を持って
得度習礼の準備では、中啓や念珠以外にも必要なものが多くあります。直前になって「得度用ではなかった」と気づくケースもあり、その場合は手配に時間がかかることもあります。
ナオシチ法衣店では在庫確保に努めておりますが、時期によっては取り寄せ対応となる場合もございます。
特に春・秋の得度シーズン前後は混み合いますので、遅くとも2か月前にはご準備を進めておくことをおすすめします。
白帯・法衣袈裟にも注意点があります

中啓や念珠以外にも、注意が必要な点があります。
たとえば白帯はマジックベルト式ではなく、通常の帯を使用します。また、五条袈裟や輪袈裟は無地(墨袈裟)を着用する決まりがあります。
得度用の法衣袈裟の指定については、こちらの記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

白帯 通年 綿博多(得度にも)

五条袈裟|墨袈裟 得度にも
ご相談はナオシチへ
得度習礼の準備は一度きりの大切な機会です。せっかく整えた法衣袈裟や念珠が当日使用できない、ということのないよう、しっかり確認しておきましょう。
得度習礼の準備を進める中で、ご不明な点や疑問に思ったことがありましたら、どうぞお気軽にナオシチLINEまでご相談ください。

