こんにちは、ナオシチです。直七法衣店では、浄土真宗本願寺派の法衣袈裟を中心に、さまざまな衣体(えたい)を取り扱っています。
そもそも、僧侶が着用する法衣袈裟には、どんな種類があるのでしょうか?また、衣体には厳格な「ルール」があることをご存知でしょうか?
今回は、浄土真宗本願寺派で着用される衣体の種類と、着用ルールをわかりやすく解説します。これから得度を受けられる方、僧侶の装束に興味をお持ちの方は、ぜひご覧ください!
浄土真宗の衣体とは?

浄土真宗の僧侶が着用している法衣袈裟にはどんな種類があるのでしょうか?そこで、浄土真宗で着用されている法衣袈裟(白衣などの衣服を含む)を一覧にしてみました。
白衣(はくえ)や白襦袢といった衣服を着用し、その上に布袍(ふほう)や黒衣(こくえ)といった衣、そして、その上に輪袈裟や五条袈裟といった袈裟を着用します。
これらを「衣体(えたい)」といい、浄土真宗の僧侶はこれらを組み合わせて着用し、日々のお参りに臨んでいます。また、場合によっては袴を履いたり、中啓や双輪念珠を身に着けたりします。
衣服

白衣(はくえ)

白襦袢(しろじゅばん)

白帯(はくたい)

白足袋(しろたび)
衣

色衣(しきえ)

黒衣(こくえ)

布袍(ふほう)
この3つに加え、教服(きょうふく)の4種類が衣として規定されています。
袈裟

七条袈裟
(しちじょうげさ)

五条袈裟
(ごじょうげさ)

小五条袈裟
(こごじょうげさ)

輪袈裟(わげさ)

黄袈裟(きげさ)
上記の5種類に加え、三緒袈裟(みつおげさ)と合わせて6種類が袈裟として規定されています。
この通り、浄土真宗の衣体はざっと10種類以上あります。
さらに、季節(夏用・冬用・合用)、素材(正絹・化繊)、色柄の違いなども加味すると、実に多彩なバリエーションが存在しているのです。
法衣袈裟の着用には厳格なルール
衣体の組み合わせは、僧侶の好みで自由に行って良いものではなく、「被着法(ひちゃくほう)」「服制規程」といわれるルールが定められており、場面や立場に応じて正しく着用しなければなりません。
主なルールは、次の通りです。
礼装第一種 | 白足袋+白衣+白襦袢+白帯+色衣+七条袈裟+切袴 |
礼装第二種 | 白足袋+白衣+白襦袢+白帯+黒衣+七条袈裟+切袴 |
正装第一種 | 白足袋+白衣+白襦袢+白帯+色衣+五条袈裟+切袴 |
正装第二種 | 白足袋+白衣+白襦袢+白帯+黒衣+五条袈裟+切袴 |
略正装第一種 | 白足袋+白衣+白襦袢+白帯+色衣+五条袈裟 |
略正装第二種 | 白足袋+白衣+白襦袢+白帯+黒衣+五条袈裟 |
略正装第三種 | 白足袋+白衣+白襦袢+白帯+黒衣+小五条袈裟 |
略装第一種 | 白足袋+白衣+白襦袢+白帯+色衣+輪袈裟+切袴 |
略装第二種 | 白足袋+白衣+白襦袢+白帯+黒衣+輪袈裟+切袴 |
略装第三種 | 白足袋+白衣+白襦袢+白帯+黒衣+輪袈裟 |
正服第一種 | 白足袋+白衣+白襦袢+白帯+布袍+輪袈裟+切袴または俗袴 |
正服第二種 | 白足袋+白衣+白襦袢+白帯+布袍+輪袈裟 |
略服第一種 | 白足袋+白衣+白襦袢+白帯+布袍+輪袈裟+俗袴 |
略服第二種 | 白足袋+白衣+白襦袢+白帯+布袍+輪袈裟(和服の場合) 靴下+洋服(スーツ等)+布袍+輪袈裟(洋服の場合) |
略服第三種 | 靴下+洋服(スーツ等)+教服+輪袈裟 |
……たくさんありますね。大きく分けて、礼装、正装、略正装、略装、正服、略服の6種類があります。なお、上記にない組み合わせ(例:布袍+五条袈裟など)での着用は、認められていません。
どんな場面でどれを着る?
浄土真宗本願寺派では、場面に応じて、たとえば次のように、着用する法衣袈裟を使い分けます。
葬儀・住職継職奉告法要 | 礼装第一種(色衣+七条袈裟) |
法事 | 略正装第一種または第二種(色衣または黒衣+五条袈裟) |
月忌参り | 正服第二種(布袍+輪袈裟) |
研修・打ち合わせ | 略服第二種(スーツ+布袍+輪袈裟) |
このように、行事・法要・日常参拝など、それぞれにふさわしい衣体が定められています。
また、得度習礼ではこうした「被着法」や「服制規程」についてもしっかり学びます。これから得度を控えている方は、今から予習しておくと安心ですね。
浄土真宗本願寺派の法衣袈裟はナオシチへ
今回は浄土真宗本願寺派で着用する衣体の種類と、そのルールについてご紹介しました。
ナオシチでは白足袋から法衣袈裟、そして切袴に至るすべての法衣袈裟をお取り扱いしております。(スーツ等の洋服はございません…)
単体はもちろん、セットでのご注文・お誂えも承っておりますので、法衣袈裟をご入用の際は、ぜひナオシチまでご相談ください!
ご相談はナオシチ公式LINEより承っております。